手加工は代々大工さんが受け継いできた加工技術
プレカットは機械で人の手を極力省いて加工する技術
最近はプレカットが主流で大工さんが自ら手作業で加工するのは珍しくなりました。
プレカットの良いところは人件費が軽減できる、工期が短縮出来る、品質が安定するですが
生きた無垢の木の経年変化や特殊加工への対応が出来ないなどの問題があります。
ネクストワンの家は無垢材にこだわり、天井を勾配天井梁現わし、大黒柱を使うなど機械だけでは
対応できない部分が多々あり、腕の良い大工さんの手加工が必要不可欠です。
運ばれてきたプレカット材を現場で組み立てるだけの大工さんではネクストワンの家は出来ません。
プレカットが普及して、人に頼らず、省力化進むのは結構ですが、伝統技術が消えてしまうのは非常に問題です。
AIがどんなに発達しても、人間にしかわからない事がたくさんあります。
先日、新聞の編集手帳に女子大学院生がコケの種類を自動判別するAIを開発したとあり、
そのあとに植物学者著書『苔の話』にある「ただ純粋に苔に思いを馳せるとき、私の心に浮かぶのは、物悲しさの中の静寂である」
この植物を観察したければ「ゆっくりと落ち着いた気分であること」大切だとの文章が紹介されていましたが
これを木の話に置き換えるとAIで将来的には檜、杉など材種までは判別できるようになるかもしれませんが、
人を感動させる木目の美しさ(目こま、目あら、笹杢、ちじれ杢等)やアテなどのその木の持つ性質までは判別できません。
日本の木の文化は伝統的な職人の技で、木組みを含めて、木の持つ良さを最大限に引き出すことによって支えられてきました。
これからも伝統技術を大切にし、「心静かにして木の良さを味わえるような日本の家」を守ってきたいものです。