最近、家づくりにおいても、乗用車並みに性能に関する数値がもてはやされていますが
確かに、住宅を購入するときには気密、断熱性能、耐震性能などの数字は重要な判断材料になると思いますが、
あまり、そこにこだわり過ぎると本質を見逃し、また、窮屈になってしまいます。
必ずしも性能と住み心地は比例するものではないのです。
無理に開口部を少なくしたり、気密シ-トを使ったりして、数値を上げたりしては意味がありません。
家は車のように5年、10年位で入れ替える商品ではありません。50年、100年と住み続けるものです。
作られた性能は必ず落ちてきます、車が古くなって燃費が落ちてきて、故障がだんだん多くなるように
住宅も自然素材以外の工業製品で作られたものは年月と共に劣化します。
例をあげれば、断熱材のグラスウ-ルは一度、水分を吸ったら放湿しません、
そのために防湿フィルムが必要ですが、そのフィルム自体が結露する恐れがあります。
弊社が使用している自然素材の羊毛ウ-ルは透湿性能が良く、水分を吸っても自ら放湿して乾きます。
また、接着剤を使った構造用合板も耐震性能をクリアするためには必要ですが
透湿性がなく、結露の心配があり、一応、耐水になっていますが、そのために外壁に通気層を取らなくてはなりません。
弊社が使用しているモイス・そとん壁は自然素材で透湿性と防水性を兼ね備えています。
漢方薬と西洋薬のようなもので、西洋薬はピンポイントの即効性はありますが、対処療法で副作用を伴います。
漢方薬は時間が掛かりますが、自然治癒力を向上させ、全身を治します。
数値も結構ですが、それ以上に自分の五感で感じるのもを大切にしたいものです。
あまりこだわりが過ぎる木を見て森を見ずになってしまいます。
徹底より「ホドホド」でいいかなと思います。人間も自然の一部ですから。